心の整理の仕方 ―考える価値のあることをやる―
考える価値のあることをしましょう。
考える価値のあることとは、時間や労力を費やすほど、大きな見返りを得られるようなことです。受験生の方々にとっては、『合格』という大きな見返りに直接結びつく学習のことを指します。
冷たい言い方ですが、自分以外の他人や、過去の出来事等の事実は変えられません。
そういった考えてもしょうがないことに気を取られて、貴重な時間を台無しにしてしまうのは本当に勿体ないことです。
「今、ここ」に集中しましょう。
とはいえ、一度思い浮かべてしまった苛立ちや悔しさ等のいわば負の感情について、気持ちを鎮めることは中々難しいです。そのようなときは、そのネガティブな感情をエネルギーに変え学習の糧にしていきましょう。
ただ、それでも振り払えずに気持ちを引きずってしまうようなら、次のように、引きずったままでもできることを増やしていきましょう。
気持ちを引きずったままでもできることを増やす
先に、気持ちを引きずったままでもできることを増やすことによる意識の変化について、以下のとおり引っ越しを例に考えます。
例えば、線路の近くや車通りの多いところに引っ越したとします。
暮らし始めたころは、気になって仕方のなかった電車や車が通る音等の騒音も、実際にそこに身を置き多くの活動をしていくうちに、また日が経つにつれて、生活する上で特に支障を感じなくなっていきます。
この例のように、いやな気持ちを引きずってしまうという、いわば「自分にとって好ましくない状況」の中でも、その状態のまま、できることを少しずつ増やしていきます。
その結果、いやなことを思い出してしまったとしても、次第にその状況は、学習する上では特に支障のないことであると思えるようになってくる(頭に刷り込まれていく)効果があると考えられます。
要するに、意識の中で場慣れしていく感じです。
考え方の手順
1.イヤなことを思い出してしまい、どうしても気持ちを切り替えることができないなと感じる。
2.まず「切り替えられないこと」を受け入れる。かつ、その状態を維持したままで行うことを決める。
例 テキストを1ページ読む、申請例雛型1つ音読、過去問1問解く
※ポイント
・作業量は少量。どれだけ時間がかかってもいいので、やり切る。
・「決めた量」をこなすことを最重要視するため、出来映え(クオリティー)は気にしない。
3.2で決めたことをやり終えたら、一旦心の中で自己評価する
例 「気持ちを引きずった状態でも、1問解くことができた」ことを確認する。
※次からは、2の量を少しずつ増やす。
例 1ページ→2ページ、1つ→2つ、1問→2問
効果
・気持ちを引きずったままでもできるということを自分に発見させられるため、モチベーションの維持につながる。
・徐々に(いきなりは×)量を増やすことで、やるべきこと(学習)に対する関心の比重が高まり(※)、いやなことを思い出してしまっても、意識が学習に移行しやすくなると考えられる。最終的には、いやなことを思い出しても、瞬時にスイッチを切り替え、学習に集中できるようになっていくと考えられる。
※ 関心の比重についてのハナシは、下記記事でも触れています。